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大好きですバッハ!天満敦子さんヴァイオリン☆ [音楽]

 日本工業倶楽部にて開催された「天満敦子 ヴァイオリンリサイタル」に出かけてきました。
初めて行くこの会場。東京駅の丸の内口から歩いて3分くらいの高層ビルの立ち並ぶ中、ここは何処?と思いたくなるような素敵なビルの中の2階に会場はありました。周囲のビルは見上げるほど高く、照明もすべてのガラス窓から外を照らすように明るい建物ばかりの中にこの工業倶楽部のビルはヨーロッパの夜のオフィス街を思わせるたたずまいでした。上層部の窓にあるカーテンから漏れる明かりがとても東京のど真ん中にあるとは思えないほどセンスのよい光で私は気持がゆったりとし、建物に入りました。

   ピアノは片隅にカバーをかけられひっそりとしていましたが、この演奏会はヴァイオリンソロです。
 バッハ:G線上のアリアにはじまり、アダージョ・・・・マスネ、小林亜星、シューベルト、和田薫、ポルムベスクといった作曲家のプログラム。開演前に「この演奏会は休憩はありません。90分通してお聴き頂きます。」とアナウンスが入りました。



  拍手とともにステージに現れた天満さんは、くるぶしまである黒いパンツに紺色のような色のノースリーブのワンピースをお召しになられ黒のヒールの高いパンプスを履いておられました。
   ステージに上がる時にニコニコしながらも「よっこらしょっ!」と掛け声をかけて20センチくらいはあるステージの壇上に登られるのです。アントニオ・ストラディヴァリウスとウージェーヌ・イザイ遺愛の名弓を持ち、転んでしまったら大変!と私は冷や冷やしましたが・・・
  
  G線上のアリアから始まった演奏会。ヴァイオリンの音の伸びやかさをソロのプログラムで聴くのは久しぶりです。CDとは違って空気を伝って音の伝導が体に響くのがよくわかります。
  私がこの天満さんのリサイタルを聴いてみたいと思ったのは一昨日のこと。ある音楽雑誌を見ていると「12/3天満敦子ヴァイオリン 曲/バッハ:アダージョ、無伴奏パルティータNo・1、シャコンヌ他」という記事を見つけました。バッハの原曲で“シャコンヌ”を聴きたかったこととヴァイオリンの弓の動く様子を見ること、そして音の響きを生で自分の耳に入れたかったのです。
  休憩はありませんでしたが、どこまでも引きつける天満さんの音楽は時間の経過をすっかり忘れさせてくださいました。開演から40分位の頃のプログラム、バッハの無伴奏パルティータで天満さん自身も会場の聴衆も最高の状態になったような気がしました。そこから引き続きシャコンヌへ移行です。大きな呼吸をしシャコンヌを演奏し始めた天満さんは笑顔でステージに上がられた時の表情とは比べものにならないほど音楽の心底に身をおく姿でした。15、6分の演奏が私には1時間くらいに感じました。それ程、一音一音にエネルギーと命が込められていてズッシリと私の体に刻みこまれる音でした。パルティータとシャコンヌは本当に感動しました。
  その後に和田薫:譚歌(たんか)無伴奏ヴァイオリンの為のBalladeを演奏されました。これは、初めて聴く作品でしたが驚愕しました。作品もですが、演奏です。和田氏の書かれた譜面がどうなっているのか見たこともありませんから知る由もないのですが、日本人作曲家がここまでヴァイオリンを鳴らす作品を書き、演奏をしている天満さんも私には女性ということを忘れさせるものがありました。技術の問題としては相当難しい作品だと思いますが、胸をつかまれて離してもらえない!という作品・演奏でした。これ以上説明が出来ません。
  すべての演奏が終わると、またもとの笑顔に戻られ「今日はありがとうございました。」とお話しされアンコールにユーモレスクを演奏され、サァ~っとステージを降りられました。ユーモレスクのリズムに乗っていた天満さんはとてもチャーミングな女性に戻られていました!

  経歴も素晴らしい演奏家、天満敦子さんですが、経歴など微塵も感じさせない12月3日の現在のご自身の心をヴァイオリンをもって皆さんにお伝えしていらっしゃいました。
  会場を後にしながら思ったこと。演奏家は経歴も作り上げていくものだけれど、本番一つ一つは経歴が演奏するわけではなく演奏家の生身を表現する場なのだな・・・どんなに経歴が素晴らしくても本番はその時だけ。やはり、絶えざる研鑽の日々を送られているのだろう。
 その天満さんも未だに年に何回かアムステルダムに赴き生涯の師と仰ぐヘルマン・クレッバース氏のもとで学んでいるとプロフィールに記されていたのです。

  冷めやらぬ興奮の夜、ヴァイオリンの音色が頭の中を駆け巡っていました。工業倶楽部で聴いた演奏会は日本だということを忘れてしまったのも事実です。
  
   

 

     当日、行くことを決めたので当日券があるかどうかなかなか連絡がつかなかったのです。一か八かで出かけた私・・・少々無鉄砲!
   聴くことが出来て良かったっ!

 


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uta

ご訪問ありがとうございます^^
ピアニストさんなんですね、すごい!
地方はリサイタルの頻度が極少ですが、わたしも好きです♪
またおじゃまします~
by uta (2007-12-04 17:46) 

こんとらばっそ

ご訪問ありがとうございます。
プロのピアニストさんからコメントをいただけるなんて
思ってもみませんでした。
天満さんのヴァイオリンはテレビでしか拝見したことがありません。
機会があれば是非、生で聴いてみたく思います。
バッハのシャコンヌは私も大好きです。

過去記事も少し拝読させていただきました。
「プログラムと仕事は広げ過ぎると倒れる」との格言には
笑ってしまいました。
でも「練習は うそ をつかない」はプロでもアマでもそのとおりですね^^
by こんとらばっそ (2007-12-04 22:40) 

ake_i

こちらこそ、コメント有難うございます!
「プログラムと仕事は・・・倒れる」に笑って頂けたとは^^;
私こそコメントを読ませて頂き笑って頂けたことに笑いました( ^^) _U~~
特許取りたいくらいですが(笑)格言はパロディーですからね・・・
こんとらばっそさんのワンちゃん、あったかいお顔してますね!
お写真を見るのが楽しみでなりません!また、訪問させていただきます。
by ake_i (2007-12-04 22:54) 

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