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【 i ・ホームコンサート vol.5】 [音楽]

 昨年、結婚してから主人の所有していた家の1階和室を大工事してレッスン室にし、ピアノを持ち込んだ。隣の部屋はリビングなのでレッスン室とリビングの間に頑丈な防音ガラスと防音サッシを二重にはめ込んでもらい、通常はピアノを弾いていてもリビングにはかすかにしか聴こえない。ガラス張りなので練習に集中できないと困るからロールカーテンとブラインドを付けて、これも通常は閉めてあるからまったくの孤立したレッスン室になっているのだ。見積もりから工事完了まで、4か月を要した。楽譜棚や机もさりげなく設計されていながら非常に機能性の高い部屋となり工事をした楽器店と業者は完成した防音レッスン室を誇りに思ったらしく昨年の暮れに“のだめカンタービレ”の大イベントが東京国際フォーラムで行われた際に我が家のレッスン室の写真が5枚、大きなパネルに入って展示されているコーナーがあったらしい。私は見ていないが仕事帰りに何の気なしに歩いていた主人が発見し驚いていた。なんと今年のG.W、これまた国際フォーラムで毎年開催されているラ・フォル・ジュルネ・ジャポン [熱狂の日]音楽祭2007にも展示されておりこのときは私もアンドレ・コロベイニコフというロシアの若手のピアニストの演奏会を聴きに行った際に、まさか展示されているとは思ってもみないで出かけたのだが・・・なんとなく歩いていると見たことのある部屋のパネル写真があるではないか!!演奏会の前にフォーラムの近くの焼肉屋で思いっきり食事をし、ましてニンニク焼きなども食べさぞ臭っただろうに工事の際に担当していたH氏がいて、思わずかけよって行き「こうしてパネル写真になるとなんだか私の家ではないみたいですよ。よく出来ていますね・・・」などと褒めていいのか謙遜していいのか、微妙にわからない状態でありながら嬉しくお話をした。
 
 そのレッスン室で練習すること1年半が過ぎた。この間、我が家で近所のお客様たちを招待し【i ホームコンサート】と名づけコンサートを開催している。この暮れで5回目を迎えることになる。この時ばかりはレッスン室とリビングの間の防音二重サッシを取りはずしオープンにする。このサッシがどれだけ重いか・・・全部で4枚あるサッシを数名の男性の力でもってはずしてもらうのだがそう簡単には運ぶことは出来ない。汗だくになって作業をしてもらう。そして家にあるあらゆる限りの椅子を並べコンサート会場が完成する。
 開演はおおよそ午後2時だが普段の住まいと雰囲気を変えるためにすべての雨戸を閉め客席のライトは消し、レッスン室にあるピアノと演奏者をを照らすスポットライトでムードを作るのだ。この環境づくりは主人の案。意外なことにこのムードが異常なほど緊張感を作ってくれる。狭い会場に目いっぱいお客様が入ると楽器と客席には空間があるものの、その空間を伝ってすべての人の目が向けられる。いつも練習している場所とは全く違う心境になる。自分の楽器なのにまして自分のいつもの場所なのに、とにかく緊張!

 このホームコンサートの特長として、前半、有志の方々の演目をプログラムに必ず組み込む。それは趣味でされている演奏を披露してもよい、楽器でなくてもよい。ある時、男子高校生に声をかけてみたら、ちょうど学校で“読経”をやっているのでそれを披露したいと希望があった。その回のスタートは前座で主人の ∮ ドッソッソッソッ ♪ ソッミッド ♪ ・・・・と田丸信明氏作曲の[はずんだボール]とトークで始まった。本格的にピアノを練習し始めて3か月での初ステージで完璧に弾いた。大変だっただろうに・・・それに続いて有志で参加をしていただいたピアノ、ギター演奏。前半の締めに“般若心経・・読経”を披露していただいた。ピアノの前に座布団をひき何ともその雰囲気を作り上げ高校生の彼は心を込めて読経をした。なかなかのもので皆を魅了した。
 それから私の演奏になる。
 こんなプログラムで毎回開催してきたが今まで小唄の方もいらっしゃった。こういった企画をしてみて考えたこと。それは人前で何か演目を披露してみたいと思われる方が出現し小さいステージだがその日のために練習をしてみるという今までになかったことを暮らしの中の一つの目標にし、生きがいを感じてくれたらと私は思っている。

 私のピアノのレッスンを受けている方の中に昔から弾きたかったピアノを(当時おそらく50歳ときいていた)始められたIさんという女性がいる。ドレミのドからのレッスンだった。もう12年も前に始められ毎回のレッスンの内容をご自宅に帰りノートに記録されているほど勉強家。今ではチェルニー30番練習曲集まで弾きこなすことが出来ている。その女性は第一回目にソロで参加されその後毎回のようにお嬢様とお孫さんを連れてホームコンサートに聴きにいらしていた。コンサートのあとの懇親会でお嬢様やお孫さんと少しばかりお話をする機会があったが、どうやらそのお孫さんは自分もホームコンサートでピアノを弾きたいと毎度話しているらしいことをIさんから聞いた。去年も、そして今年の春もそう話していた。まだ6歳でヤマハに通っているとのこと。私に会うたびにとても元気よくお話をするお子さんで活発だな・・・と感じていた。懇親会では大人のお客様に混じって怖気づくことなくテーブルにある甘いお菓子ではなく辛い[柿の種]をいつも食べている。帰り際に、「また、会おうね!」と言い、残っている[柿の種]をお土産にもたせると喜んで笑って帰る愛くるしいお孫さん。ホームコンサートで弾きたいという彼女の気持ちをなんとかしてあげたいと思いながらも何も出来ずにいた。前回のホームコンサートが終わって、ひらめいた。Iさんとお嬢さんとお孫さんの3世代で6手連弾をしてもらおう!!!早速、Iさんのレッスンの時間にお話ししてみた。「とても嬉しいです。家に帰って娘と孫に話してみます。」次にお会いしたとき、是非ともやらせていただきたい!となり、6手連弾の6歳のお子さんも交えて演奏できる楽譜をさがし何曲か提案をし、あとはご家族でご自由にプログラムしてくださいね、と伝えたのは4月頃。
 先日、Iさんのお嬢様からメールが届き、「このような機会をあたえていただきありがとうございます。3人で合わせる楽しさ、難しさをみんなで感じております。不安だらけの私たちにとって少しでも形にしていけるよう3人で頑張ります!!」。演奏曲目が添付されていた。
    ①大きな古時計
    ②エンターティナー
    ③花のワルツ・・・チャイコフスキー
    ④かえるのがっしょう
 備考欄には[初!親子3代で6手連弾♪] とあった。
 家族で、それも3代でピアノを練習できるなんて本当に素晴らしいことだと思う。これは想像だが、家族だからこそ練習中にケンカもあるだろう、お孫さんが駄々をこねることもあるだろう・・・年齢の違う三人が合わせるということは、そう並大抵のことではないから。まして多感な6歳のお子さんを含んでということだからお母さんであるお嬢様、おばあちゃんであるIさんはハラハラドキドキ・・・かもしれない。
 今さら、あとには引けない。私もIさんご家族も。期待しておりますよ!

 こうして迎えられる第5回 I・ホームコンサート。今回は司会を地元テニス部のH氏に依頼した。その方の適役だと思った。お話をまとめるのが本当に上手である方。多くの方の信頼もあり私も安心してお任せできる。他にも小唄の方が再登場(今回は三味線も習っておられ、それも披露されるのかしら?)。はたまたキーボードを持ち込んでアルペジオの伴奏をかけながら[北の国から]を練習し今回初出演のテニス大好き熟年の男性もおられる。私の演奏はなくてもよいのではないかと考える。なにしろこのコンサートは緊張するのだから・・・聴衆の立場になりきって楽しんで聴いてみたいと切に感じる。

 趣のあった和室がピアノレッスン室に変化し、そして小さいながらもホームコンサートを開催し、こうして過ごしていることを夢のように思う。コンサート前はかなり清掃作業に忙しくなるのだが・・・
 いつまで続けられるかわからない。いつも今回で終わりかもしれないと思いながらまた5回目の準備に取りかかる日が迫ってきている。いやいや、まだ11月にある二回の演奏会と録音の準備も不完全・・・練習しなきゃッ!
  


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