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吉兆だ! [バラ]


                                        袖ケ浦 【Plants】にて撮影
  
 秋晴れの爽やかな一日、朝、いつもより遅めに起きた。「富士山、今日は見えるかな?・・・」とつぶやいた。それを聞いていた主人は朝食をとりながら、「その気にさせることを言うねぇ~」と話す。  
 休日とは言っても主人共々、家での仕事がある。当分は一日かけて遊びに行く予定は立てられない。二人揃ってのドライブや旅行はかなり先まで不可能。
 ところが晴れ渡った空を見、外のすがすがしい空気を気持ちよく感じるとなんとなく家にこもって練習する気が起きなかった。が、自己抑制が必要と観念している日々。特別に出かけようなどと実際には考えていなかった。

 昨日、HONDA“CR-V”が納車され、目いっぱい遊ぶ時間が取れなかったので、とりあえず100円区間だけ高速道路を走った。今朝、そのエンジンを大回転させたくて「東名や中央道を走らせてみたいな・・・」と思っただけで富士山を見るのは二の次の気分だったのが今朝の私のつぶやきの元。

 朝食を終えた主人の様子をうかがうことすらせず、本当に行くとか行かないとか曖昧なまま、身支度をした。特別に支度したことは快晴だから日焼け止め!それと保冷ポットに麦茶を入れて支度完了!
 新聞を読んでいた主人に、さぁ、行こう!という私の言葉で「よし、支度できたか!」
 つべこべ考えている心境でなかった。
 あっという間に二人とも一日の予定変更!重責ある仕事という荷物を心に閉まって出発した。
 
 行先は館山道をまっしぐら。10時03分に自宅をスタート。館山市内に11時07分。R16で館山に向かうとこんなにも短時間では到着しない。当たり前だがさすが高速道路。市内から沖ノ島公園に向かった。
 車を降り、白い砂浜を歩いて行くと海藻の香りがする。波打ち際まで行くと水は透明で昆布のようなワカメのような海藻が水中にゆらゆらとしているのがはっきりと見えた。水を触ると冷たくない。小さなやどかりが水の中を歩いていた。その可愛らしいやどかりを見て岩場で水遊びをしていた子供の頃を思い出した。泳ぎたいな・・・と思わせるような水温。日差しもやや強く、着ていた厚手のトレーナーを脱いでTシャツ一枚で歩いた。
 岩場や砂浜の混じる沖ノ島。島の中央はたくさんの木々があり自然豊かなところだ。歩いている人はわずかな数だったが所々に釣り客がいる。ゆっくりと時の流れを感じるのどかな光景だった。
 島の先端の浜辺で立ち止まった。快晴の昼、大型貨物船や漁船が光る海の上に浮かんでいる。海の向こうには三浦半島が見えた。眩しいが温かい日差しの中とても心地よく、青い空をみていた。西の空から羽田に向けて飛ぶ飛行機が何機も上空を通過するが音はほとんど海の波の音で消されてしまう。
 そうして空を見つめていると視界の中にぼんやりと富士山の山頂が見えてきた。じっくり見ているとだんだんはっきりとその形が確認出来てきた。「富士山だ!」まさか本当に富士山を見ることができるとは思っていなかったので驚いた。この時期、早朝や夕方にははっきりと見えるだろうが昼間はよほどの快晴でない限り見えない。思いがけず“贈り物”を頂いたような嬉しい気持ちになった。その場にいた一組の家族もその富士山には気が付いていなかっただろう。それくらい、よく目をこらさないと見えないが、見えてしまうとはっきりと確認出来るのだ。高感度カメラで写してみたが太陽光線の強さか海の光の強さか富士山は負けてしまい写っていなかった。
 心の中にその大切な土産をしまい沖ノ島をあとにした。

 軽く昼食を道の駅でとり、再び高速道路を走った。向う先は袖ヶ浦IC。袖ヶ浦市にある南房総最大規模のバラ専門店を覗いてみようという目的。数週間前に新聞に掲載されていて気になっていた。本来は館山に車を走らせ、昼食をとりすぐに帰宅する予定でスタートしたのだが、仕事という荷物を背負いながらもこれは主人の決断であった。私は心半分、帰宅したかった。しかし半分、バラの店に行きたかった。複雑な心境・・・CR-Vを高速道路で思う存分走らせているうちに帰宅する気持ちはすっかりなくなった。軽快な走りと元気のよいエンジン、快適なハンドリングを満喫しながら運転していると頭はすっかりアクティブモードにチェンジされていた。
 ICを降りると、詳細な住所をナビにガイドしてもらい【Plants】に到着。すごい種類のバラ!!!ざっと一回りしても一回で理解できないくらいの種類が展示されている。もう、新種を買っても植える場所がないからやめよう、と決めていたのに心が動く。主人とは別々に見て歩いた。我が家には剣弁高芯咲きやロゼット咲き、丸弁抱え咲きなどの種類がない。そこまで興味が湧かなかったのだが、実際にみてみると、素晴らしい。どうしても欲しくなった。物色して歩く。どれくらい時間が経過したか今もわからない。ブルームーンやスイートムーンなどの薄紫の大輪もいいなぁ。実際には完売でなかったが、黒板に写真つきで案内されていたバタースコッチの薄茶色も気に入った。今ある庭のバラを飾る修景バラも魅力的。さて、主人はどうしたんだろう?あちらも、あれこれ店の女性スタッフにつるバラの管理方法をおそわっているらしい。少々、錯乱気味だったところに「お茶でもしよう!」と提案され、【森のオープンカフェ】というバラ園に隣接された小さなカフェでオリジナルの濃厚プリンとコーヒー、紅茶を頂いた。話はバラのこと。そして今朝、天気が良くて全部の寝具をベランダに干してきたことが気になること。時間はすでに16時をまわっていた。
 「せっかくだから、CR-Vが我が家にきた記念樹として何か購入していこう!」ということになり、二人で物色が始まった。
 男性のスタッフにあれこれ質問やアドバイスを受けながら結局、“ウインナーチャーム”という四季咲きの大輪、色はオレンジだが微妙に変色がかりロゼット咲きもしくは高芯咲き系の初のタイプを選び購入。
 帰路、私は助手席で“ウインナーチャーム”を抱えながら日暮れから夜になるR16を急いだ。何しろ、朝、干してきた寝具が気になる。

 ガレージに車を止めたのは、すでに17時30分を過ぎていた。冷たくなった寝具を主人が取り込み、今日の作業は終わりと思っていたら「ウインナーチャームを植えよう!」と家じゅうの明かりをつけ庭を照らし主人が植樹した。大きな莟が3個ついている。真っ白な“トゥルーラブ”と“水上の山の野バラ”の間に植えた。私はネームプレートに《ウインナーチャーム》と書き、その下にCR-V記念 2007.10.21と入れ根元に添えた。

 私たち夫婦、60歳と43歳のそれぞれ今までの時間をCR-Vと“ウインナーチャーム”はリセットするかのように我が家の新しい家族となった。
 
 “吉兆”なんていうバラもあってもいいかなと夢を抱いた。いつか交配の術を覚えたらそんな名前のバラを作ってみたい。富士山が見えたのは「吉兆だ!」と主人は言ったから。なんでも「吉兆だ!」が口癖みたいなところがある人。そんなに吉兆があるわけないじゃない!!!しかし、バラの名前に“吉兆”なんて存在したら結構売れるかも・・・これをブログに掲載してしまったら、どなたかに使用されてしまうだろう。どうぞ新種のバラの名前を検討されておられる方、お使いください。私はバラの交配を研究し始めると、それに夢中になり結局は実現しないままに時間だけが過ぎてしまうのがわかっていますから。
  

 時間をつくっての息抜きもいいが、突拍子もなく仕事を忘れて(忘れる努力をして?)無計画なドライブも楽しい・・・・こんなこと年中やっていられないが・・・♪♪♪


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